ノスタルジー

つれない時は流れ流れて
僕はここまで押し流された
いつの間にやら20回目のバースデー

思い出の糸をたどってみれば
いつも決まってたどり着くのさ
遠く離れてしまったあの公園の影

時を忘れてこいだブランコ
泥にまみれて遊んだ砂場
汚れた尻も構わずすべった滑り台

退屈なんて知らなかったよ
憂鬱なんてどこにもないさ
小さな心だけに見える世界だから

黄色い水晶のようなお日様は
優しい眼差しで僕らを見下ろしていた
西の空を染める頃
はしゃぐ僕らに
「おうちに帰りなさい」って、そっとささやいた
ああ、僕も大人になってゆく
優しいものが見えなくなってゆく
ああ、どうかいつまでも消えないで
夢色に染まる公園の影

夏の灼熱の陽炎の中も
冬の冷たい北風の中も
あの公園には無邪気な声があふれて

夢中ではしゃいでいたあの頃は
時の流れもとても緩やかで
大人になるなんて考えてなかったのに

夕焼けの空の下を手を振りながら
ひとりふたりと急ぎ足で辿る家路
消えそうな光の中をまだはしゃぐ僕らに
「おうちに帰りなさい」って母の呼ぶ声が

ああ、僕も大人になってゆく
優しいものが見えなくなってゆく
ああ、どうかいつまでも消えないで
夢色に染まる公園の影

ああ、僕も大人になってゆく
不安の雨に打たれて濡れてゆく
ああ、どうかいつまでも消えないで
想い出をくれた公園の影