夏への手紙

疲れた身体をフワリ 夏にあずけてみれば
深い森は蝉しぐれ 日差しを深呼吸

汽車道ガタゴトゆけば かげろうユラユラ揺れ
人はやっぱり優しい 旅すりゃ世は情け

水面にきらめく うたかたサラサラ
消えそうに流れては
汗ばむ身体と はかない命を 過ぎてゆく

さよなら、夏 また会いましょう
あなたのこと 歌に乗せましょう

あなたと私とふたり 長い影伸びてゆけば
ひぐらしカナカナ鳴いて 素敵な夕涼み

夕立ちにわかに過ぎて 虹を見上げてみれば
淡い空に秋の風 感じて何思う

だんだん傾く 西陽の速さに
口笛を合せては
哀しい心も まぶしい光に 溶けてゆく

さよなら、夏 また会いましょう
あなたのこと 歌に乗せましょう

線香花火がポツリ 闇にこぼれて消えた
夏は短くはかない 素敵な物語